アメリカ社会党 2015 5 5
アメリカの民主党は、日本では、「リベラルな政党」と言われていますが、
そもそも、日本人には、「リベラル」という言葉がわかりにくいのです。
しかし、以下の記事(2015年5月3日の産経ニュース電子版)を読めば、
アメリカの民主党は、日本では、「社会党」に分類されることがわかるでしょう。
(以下、引用)
2016年の大統領選に出馬表明した民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への賛否に曖昧な立場をとっている。
クリントン氏は、国務長官時代は、
「TPPは自由で透明性が高く、公平な貿易に道を開く黄金律だ」と訴えてきた。
しかし、民主党の支持基盤である労働組合などリベラル派が、
TPPへの反発を強めていることを受け、TPPには深入りしない判断に傾いているもようだ。
アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)のリチャード・トラムカ議長は20日、
ワシントン市内で開かれた反TPPデモの参加者を前に、
「悪い貿易は雇用を殺す」とアピール。
AFL-CIOは、議会がTPP合意に不可欠とされる、
大統領貿易促進権限(TPA)法案の審議を進めていることを踏まえて、
全議員への政治献金を凍結するなどして圧力をかけている。
(以上、引用)
この記事を読んで、
「労働組合が支配するアメリカ」という構造が浮き彫りになると同時に、
「アメリカ最強の政治家」と言われるヒラリー・クリントン前国務長官ですら、
労働組合に配慮しなければならないという現状を認識できるでしょう。
ヒラリー・クリントン前国務長官は、民主党では、右派とされます。
オバマ氏は、民主党では左派と言われてきました。
だから、私は、オバマ政権が発足した時に、
「ついに、アメリカで社会主義政権が誕生した」と思ったものでした。
オバマ氏は、ビジネスライクな人で、頭脳明晰な人ですが、
政策を決断するときに、つい、
自身の支援団体である労働組合や環境保護団体のことが、
脳裏をよぎるので、
それが、世界の人々からは、「迷走するオバマ政権」に見えるのです。
労働組合の顔色を伺うヒラリー・クリントン前国務長官が大統領になっても、
オバマ政権時代と大差がない政権になりそうです。
要するに、クリントン政権ができても、オバマ政権の「続編」になりそうです。
日本は、アメリカを頼りにしないで、自力で、がんばるべきです。
「労働組合に依存するアメリカ」につきあっていると、
日本まで「迷走」してしまうでしょう。